中小企業診断士になるまで その5

中小企業診断士として、事業再構築補助金の申請を2件終えました。
財務諸表や計画書を見ると、本当に経営者は知恵と工夫で乗り切ろうとしているんだな、と改めて感じます。

一方で、自社の強みのとらえ方に自信のない企業も多いように見受けました。
機会のつかまえ方はそれほど間違ってはいないと思うのですが、やはり自分のことになると、強みよりも弱みのほうがわかりやすいのでしょう。

そういう私も、試験を受けるまでは自分の強みなどほとんど考えたことはありません。
中小企業診断士の試験も、
「2年で受からなければ、受験するかどうかはいったん白紙に戻そう」
と決めていたくらいです。

そんな背水の陣で臨んだ、私の受験記録のその5。
ぜひご覧ください。

中小企業診断士2次試験の勉強で感じた独学の限界

9月からしばらくは、写経と予備校の講義&復習をしながら過ごしていました。
自分で過去問を解くときに意識していたのは、以下のような点です。

・どこになにを書くか
・どういうことをよく質問されるか
・それに対するよくある解答はどういう要素か
・解答に書かれている情報は、与件文のどこにあるのか

中小企業診断士の2次試験は、
「なにより、とにかく与件文」
です。
【ふぞろいな合格答案】お解答を見ながら、その情報はどこから出てきたのか、また与件文から想定できる解答はどこまで広げられるのか、ということを自分なりにまとめていました。

しかし、書くたびに感じていました。
本当にそれでいいのだろうか。

ねん【ふぞろいな合格答案】を見ながら、自分の解答をすり合わせていくのですが、その方法や道筋が本当に適切なのかがわからなかったのです。

「中小企業診断士の2次試験は、受験生の7割が思いつく解答を書けば受かる」
これは専門学校の先生の言葉です。

いまならこの意味がわかるのですが、当時は、
「私の解答は、本当に7割の人が思いつくものなのだろうか」
と悩んでいました。

実際の中小企業の経営者の方と話をしていると、奇抜なことや突飛なアイディアよりも、
「いまある資源で、なんとかできることはないか」
ということを求めていることがわかります。

それがわかったのは実務補習中なので、いまなら、
「あまりに挑戦心あふれる施策は採用されない」
ということはわかるのです。

しかし、当時はそんなことはわかっていません。
自分のアイディアが奇抜なのか、それとも与件文に沿ったものなのか。

独学でやり始めて3週間。
ちょうど9月の半ば過ぎのことでした。

中小企業診断士の2次試験に向けた勉強会をスタートする

専門学校で授業を受けていると、ときどきやり取りをする人たちが数名いました。
必要な情報はしっかりと交換しつつ、無駄なやりとりのない関係がとても居心地よかったのを覚えています。

そんな中、私の後ろに座っていたKさん)に、声をかける人がいました。
いつも教室の最前列・真ん中で黙々と勉強していたIさんです。

実はKさんは、私が専門学校に通い始めた頃、
「この教室内で、LINEグループを作ってるんですよ」
と声をかけてきてくださった方です。
とても人当たりの良い方で、ちょうど私のすぐ後ろに座っていることが多かったので、ときどき会話をしていました。

そういう、ちょっとリーダー格なKさんに話しかけてきたIさん。
LINEグループにも参加している人です。

「Kさん、ちょっと相談があるんですが・・・」
とIさん。
さりげなく会話に参加すると、どうやらIさんも、独学での勉強に行き詰まりを感じている様子で、出てきたワードが、
「独自の勉強会」
でした。

つまり、
「できれば勉強会をしたいのだが、一緒にやってくれないか」
ということです。

同様に、独学ではなかなか苦労をしているというKさんは、即承諾。
「あびこさんもやる?」
といわれたので、即OK。

そうなんです。
この3人とも、初めて2次試験を受けるグループで、全員が独学での限界を感じていたのです。

このときの私の感じた安堵感といったら。
「みんな、同じ不安を抱えているんだな」
とホッとしました。

そしてその場で、
・週末の土日を利用して、勉強会を行う
・あまり人数が多いと散漫になるので、1回につき6人程度で行えるくらいの人数にする
・2次試験を複数回受けている人には、よほどでなければ声をかけない
ということを決めました。

Kさんが教室内でこの内容を軽くアナウンスしたところ、数名の参加希望者が集まりました。
その後、Kさんの知り合いの受験生も参加することになるのですが、この勉強会によって、私は大きく飛躍することができるのです。

<その6>につづく。

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