中小企業診断士になるまで その6
中小企業診断士には独占業務がありません。
人に言わせれば、
「社労士や税理士のように、独占業務のある士業の方が強い」
とのことですが、私に言わせれば、
「なにをやってもいいんですよね」
ということです。
私が中小企業診断士を目指したのは、それも大きな理由の1つです。
すでにガチガチに決まっているフィールドしかないのではなく、どこにでもいける、なんでもやれる、という中小企業診断士という仕事は、コネもツテもない私にはピッタリだと感じました。
そんな私の中小企業診断士になるまでの道のり。
もう少しお付き合いください。
中小企業診断士2次試験に向けた勉強会のやり方
9月の後半から、独自の勉強会をスタートしました。
メンバーはいろんな地域に住んでいるので、
・できるだけ通いやすそうなところ
・週末に、6~7人が定期的に集まれて、場所代も高くないところ
という選定で、とある施設の会議室を利用することになりました。
朝9時に集合して、
・2次試験の過去問(たとえばH30年事例Ⅰ)を80分で実施
・休憩&メンバーの解答用紙を人数分コピー
・1時間~1時間半ほどかけて、全員が自分の解答について述べる。同時に、ほかの人からも意見をもらう。
というのを1セットとし、昼休憩をはさんで、午後から年度ちがいの同じ事例(たとえばH29年事例Ⅰ)をやりました。
その後、1時間で事例ⅣのCVPなどの難しい問題をみんなで討論。
終了は毎回、午後5時でした。
つまり、1日2事例+事例Ⅳを1問、を毎週土日に行ったわけです。
よりよい解答の方向性をみんなで目指す
中小企業診断士の2次試験には、正式な解答の発表はありません。
そのため、バイブルとして【ふぞろいな合格答案】が重宝するのですが、この勉強会にとっても大切なテキストでした。
基本的に【ふぞろいな合格答案】を参考にしながら、各々が自分の解答の方向性を示していきます。
メンバーの多くが入れているキーワードがふぞろいにも入っていれば、それはやはり必須情報ということになる、というわけです。
逆に、自分の解答にそれが入っていなければ、与件文の読み込みが足りないことがわかります。
そして、それがとても重要だということも。
そういう点については、私は解答に書きこみをしていました。
一方で、1~2人のメンバーしか入れていない情報もあったりします。
そこで、どういう意図があってそれを入れたのか、与件文のどこから引っ張ってきたのか、などを発表するのです。
その意見を聞いて、
「たしかにそれは必要!」
という場合もあれば、
「やっぱり間違っていたかも・・・」
ということもあります。
そして、それもメモしておきます。
そうして、少なくともそのメンバーの7割以上が使うと判断した情報を集めて、事例ごとの方向性を話し合いの中で決めていくのです。
ただやっているときは、そんなことを考えていませんでした。
後になってみて、
「あのときやっていたのは、最適解を探すために、可能性として考えられる方向性を決めていたんだな」
とわかったというだけ。
しかし、この「方向性を決める」ことは本当に重要です。
限られた資源、限られた人材や顧客、限られた情報。
これらをフルに活用して、課題を解決し、強みと機会をとらえ、その企業が良くなるであろう道筋を立てる。
ペーパーの上でのことですが、それがそのまま、実際の企業へのアプローチになります。
そういったことを毎週土日に欠かさず行い、とにかく鍛えて、鍛えて、鍛えまくる。
この濃密な時間は、受験にそなえる以上の貴重な体験でした。
この勉強会を10月末まで行い、試験までの2週間ほどは個々で勉強することにしました。
勉強会の最後では、
「みんなで合格するぞ!」
と気合いを入れて、それぞれの帰途についたのを覚えています。
一緒に勉強する仲間がいるって、本当にいいな。
願わくは、このメンバーと一緒に合格して、同期としてやっていきたいな。
帰りの電車の中で、そのことを強く思いました。
<その7>に続く。